備忘録

人の幸せを祝えなくてもいいと思う

あなたの音色

一時期書いてた一言日記みたいなのが出てきて懐かしんで見てたら最後の日記に、"あのこの、力強くて、でも優しさもあるピアノの音が本当ににだいすきだった。もう会うこともないと思うけど、勝手に距離を感じてたのは自分やったね。"って書かれてて、なんとも言えない気持ちになりつつ、でもそうよねって。

その子は少し厳しいおうちの子で、文武両道、才色兼備だった。なのにお高くとまっている訳ではなく、誰にでも優しく、でも陰口も言い(意外だった)そんなギャップがだいすきで彼女と話をするのがだいすきだった。彼女に「なんでやねん」と満面の笑みで言われるのもだいすきだった。

彼女に好かれている自覚はあったし、私も彼女がだいすきだった。メールもLINEもしてたし、毎年誕生日には連絡もくれていた。一度、"今日遊べる?"と誘ってくれたこともあった。あのとき遊んでたらなにか変わっていたのかな。当時の私はそんな完璧な彼女のことがすきでありながら引け目を感じて一線を引いていて、どうしてもその線を超えられなかったのだ。

どんなに綺麗な音色に出会っても、どんなに感動を覚えても、あなたの音色を思い出します。いつも笑顔のあなたが、ピアノになると真剣な顔で、力強く、でも優しくてあなたの芯の強さが溢れ出ている音色がだいすきでした。きっとずっとこれからも私はあなたの音色を思い出します。

今月末、ピアノのコンサートに行ってきます。きっと楽しいことになるだろうと思いつつ、あなたのことを思い出すんだろうなぁと思います。

隣に来てくれたのに、勝手に引け目を感じて、遠ざけてごめんね。